おたくの花道

楽しくおたくしたい!推しは生きる希望💜

アイドルのコンサートにおけるエンディングコメントについて(2)

前回はアイドルのコンサートのエンディングコメントを3つのパターンに分けてみたが、今回はその背景についてなど掘り下げてみたいなと。

 

まず「アイドル先導型」、いわゆる”ついて来いよ”パターン。これはアイドル側の売り手市場という世相が反映されているかと思われる。

昔は男性アイドルグループも今ほど数がたくさんあったわけではないので、人気も今ほど分散していなかった。今は学校や会社など属するコミュニティで好きな男性グループの話になると、ジャニーズ、LDH系、JO1をはじめとするサバ番出身系、K-POP系からYou tuber、ストプリみたいなの(詳しくなさ過ぎて曖昧陳謝)、2.5次元系まで本当に多様なことが予想されるが、昔の学校での話題は「〇〇の中で誰が好き?」だったように同じグループの中で▽▽くん派、◇◇くん派があるといったような状況だった。

ある意味「選択肢が少ない」のでCDは今より売れるし歌番組やバラエティに出る機会も多かったからアイドルを好きではない層までその名前を知っている人も多かったのではないだろうか。

また、今の中高年以上の方々が「歳をとるとなかなか名前が覚えられない」とは言うけれど、そもそも昔のほうが人気アイドルの名前を知る機会が多かったのではないか。今のようにSNSも発展していなく、メディアも少なかったが視聴者はそこに集中するので「いちアイドルの知名度」というのは今よりもあったことは確かである。

そういった時代背景に支えられた売り手市場のおかげでアイドルは「ついて来いよ」と安心して言えていたのではないだろうか。

 

平成も半ばになると「働き方改革」が叫ばれ始め、アイドル界にも少なからず影響が出てきたと思われる。いわゆる「方向性の違い」を唱えたり、他にチャレンジしたいことがある、など脱退や活動休止をするアイドルが現れ始めた。

一方でアイドルグループの渋滞が発生してきた。ジャニーズ事務所からは1年~3,4年に1組新しいグループがデビューしていたが、先にデビューしたアイドルは引退やグループとしての活動を終了することをしていないので、グループ数は増えていく。「掛け持ち」をして応援するファンもいるが経済的にも時間的にも均等に情熱を注げるのは一部で当然のことながらファンは分散していく。

もう一つ「アイドルの高齢化」という現象が起きてきた。「Duet」や「POPATO」などのアイドル雑誌への掲載やジャニーズカレンダーの刊行は30歳までという不文律もあったが、それらを卒業してもなお一定の人気を保ち続けていた。しかしここで出てくるのが「アイドルの結婚問題」である。30歳を超えたら一般的には結婚して家庭を持ち始めるタイミング。コンサートでの結婚発表、FC会員宛ての封書での報告、記者会見など発表の方法はいずれもショッキングであったが、とはいえ職業はアイドル、人気が急降下するというのは避けなければならない。

競合他グループの存在、若い後輩の台頭、グループ内に既婚者、メンバー減などといった障害がアイドルを襲うなか、人気を保っていくには、既存のファンが減るのを最小限に食い止めなければならない。そのためにはさらなる誠意を見せる必要がある。それには「ついて来い」という一方的ともとれるメッセージより、「距離を縮める」「歩み寄る」「寄り添う」というキーワード発信をすることで、ファンを安心させるという手法がふさわしかったのではないか。

 

そして時は令和へ。多くの人たちが夢中になって応援する対象はメディアで活躍するアイドルグループのほかいわゆる地下アイドル、歌い手、You tuber、第7世代を中心としたお笑い、コンセプトカフェのキャスト、アニメキャラ、舞台俳優、声優、オーディション番組出身、テーマパークのキャラクター、国内外の俳優、海外のアーティストなど多岐にわたり、対象は「推し」と呼ばれ、応援する活動「推し活」という言葉が市民権を得た。それらはコンサートや公演、CDや公演のDVDのほかグッズ、イベント、配信など様々なコンテンツを持ち、それぞれとことん応援しようとするとかなりお金がかかる。つまり、アイドルの競合は同じアイドルというカテゴリーのほかのグループではなく、この世に存在する「推し」と呼ばれるものすべてになったといえるのではないか。

そして男性アイドルについていえば、1グループの人数が多い!雑誌の表紙に10人前後の男の子たちが出ていると、一瞬どこのグループがわからない(笑)ちょっとなじみのある顔があるとSnowman、なじみがなくてちょっとマイルドなのがJO1、それがちょっと若くなったのがINI、なじみがなくていかついのがLDH系・・・となんとなく認識している(笑)

とにかく、彼らは全「推し」の中でも「アイドルのカテゴリ」の中でもまず選ばれなければ人気を得ることもできないという非常に厳しい状況に晒されているのである。それを踏まえたうえで「選んでくれてありがとう」という言葉を思い返すと非常に重みを感じる。

 

また、昨今何をしても良くも悪くもとにかくSNSである。作品がSNSで拡散されたのがきっかけで爆発的な人気につながる場合もあれば、ほんの一つの言動が炎上し命取りになる場合もある。また、昔はファンから作品の感想はファンレターという形で受け取るしかできず、このファンレターもタイミングによっては事務所から本人に渡るまで1か月以上かかる場合もあり、すぐ反応を確認することができなかったが、今はエゴサすればすぐにそれがわかる。

選んでもらったとしてもSNSでの率直な反応は楽しみな反面大きなダメージを受ける場合もあるし、何より炎上しないように神経をすり減らさなければならず、これはますます「ついて来い」などと言えない環境である。

だから彼らはCDが100万枚売れようが、満席のドーム公演を何度開催しようが、ドラマや映画の主役を演じようが、ファンに寄り添ったメッセージを発信し続ける。しかしそのメッセージが心に響いたとき、私たちのほうから「ついて行きたい」と思えるのではないか。

 

あくまで私個人の考えです。諸説あり♪だと思います。

今日もおたくのみなさまに幸あれ💜