おたくの花道

楽しくおたくしたい!推しは生きる希望💜

アイドルのコンサートにおけるエンディングコメントについて(1)

先日久しぶりにジャニーズのコンサートに行ってきた。

初めてSMAPのコンサートに行って以来、かれこれ20年以上ジャニーズのコンサートには毎年通っている。がっつりハマっていたときはひとつのグループを年に20~30公演とか観ていたときもあったが、ここ2年はコロナ禍で中止になったり、オンラインに振り替えになったりがほとんどで、しかもそれまで好きだったグループにそれほど興味がなくなったということもあり、現場から遠ざかりつつも細々と年1でどこかしらのグループの公演を観ていた。

そんな中、ドームツアーでもチケットはかなりの倍率だったというKing&Princceの公演を先日観ることができた。

ドームという会場を活かしたセット、どの席でも楽しんでほしいという気持ちが伝わる演出の数々、きらきらの衣装、そして何より5人のパフォーマンスがすばらしく、アイドルというよりもはやエンターテイナーといったほうが良いのでは?と思いながら時に双眼鏡で気になった子を見ながら、時に凝った照明やセットや特効を俯瞰しながら楽しんでいたらあっという間にエンディングになってしまった。

メンバー5人が一人ひとり挨拶をしていくのだが、その内容がまた素晴らしいこと!ファンへの感謝やメッセージが本当に心から発信されているものなのが伝わってきて、思わず目頭を押さえてしまい、隣をチラっと気にしてみたら、友達も泣いてた(笑)

中でも、「みんなが楽しかったこととして思い出すのがKing&Princceのコンサートで、でも逆に悲しいときも僕たちのことを思い出して元気になってくれたらいい」と「自分を選んでくれてありがとう」というコメントにBBAはぐっときてしまった。

パフォーマンスだけじゃなくてお話も上手、上手っていうのはテクニックがあるということではなくて「伝える力」「どんなに感謝しているかを伝えるための言葉選びが的確」というと堅くなってしまうけど、心から伝えたいと思っている気持ちがちゃんと伝わっている。その証拠に、彼らを「担当」としているわけではないBBA世代の私たちにもクリティカルヒットであったのだから。

アイドルのコンサートというと、別にディスっているわけではなく「これからも俺たちについて来いよ!」が常套句だった。特に「声出さないと命はない」と言われて育ってきたので、特に何の違和感もなく受け入れていた。KAT-TUNの韓国公演で配られたスローガン(ファン有志や運営側が入場者に配布するバナーみたいなもの。〇〇のタイミングでメンバーに見せてください、と注意書きがしてあったりSNSで拡散され、メンバーにとってはサプライズになる)にも「一生ついていくよ」と書いてあり、アイドル「ついて来い」、ファン「ついていく」の関係がデフォルトであった。名付けていうなら「アイドル先導型」とでもしておこう。

エンディング挨拶の良くあるパターンとしては「オリコン連続1位、そしてこんな大きな会場でコンサートができたのも、ファンのみんなのおかげです!これからもこのまま突っ走っていくので、みんなも俺たちについて来いよ!」っていう感じだろうか。本編後半のラストスパートの煽りでも「ついてこれるのか?来れるのか?」のように「ファンはタレントのペースについていくもの」という認識であったのがうかがわれる。

この傾向が少し変わって来た?と思ったのは2018年のKAT-TUNの東京ドームでの亀梨くんのエンディングの挨拶を聞いたとき。2018年のコンサートはメンバーが脱退し、活動休止時期を経て3人で再出発を記念したものだったかと。最後の挨拶で、おそらく今まで使ってきた「ついてきて」という言葉を使わず、「共に歩んでください」「共に歩みましょう」と言っていたのがとても印象的だった。

ファン心理としては、もちろん大好きなアイドルだし「ついて来い」って言われるのは「独占されたい欲」が満たされるし悪い気はしない。しかし「共に歩もう」のほうがアイドルとの距離感が縮んだ感覚がある。「ついて来い」が3歩下がって後ろを歩くとしたら「共に歩む」は隣で歩幅を合わせて歩くイメージ。つきあいたての独占されたい欲から二人の関係が落ち着いて、次はプロポーズされたい欲が満たされるとでもいおうか。この時点で「アイドル=偶像」と崇拝する信者との関係から、ともに生きるパートナーをしての関係になったのではないか。これもひとまず「伴走型」と名付けておこう。

実はKing&Princceのコンサートに行くのは初めてではなく、以前岸担の友人に誘われて2019年の仙台公演に入ったことがある。

その公演のエンディングコメントで平野くんが「ついてきて」ではなく「迎えに来ます」という言葉を使っていたのに大きな感銘を受けた覚えがある。王子やんKing&Princceそのままやん国王ならびに皇太子やん!!!!「迎えに来る」ってキンプリの世界観そのままだし、これはファンはものすごく嬉しいのではないだろうか。その証拠にこの話を聞かせたオタクの友人たちは全員胸を押さえて悶絶した。これはもうキンプリだから成り立っているワードで番外編になるのかもしれないが「馬車でお迎え型」と名付けたい。

そして今回のKing&Princceの東京ドーム公演に話を戻そう。

岸くんはそのキャラクターからか、何かいいことを言っても笑われちゃったりするっぽく、この日も「もう俺たち5人だけがKing&Princceじゃなくてもうみんなも含めてみんなでKing&Princce」と言って笑われていたけど、これ「ファンも含めてKing&Princceを作っている、ファンがいてはじめてKing&Princceというプロジェクトが完成する」という価値観。ファンはもはやオーディエンスではなくてプロジェクトを構成するために不可欠な要素。3歩下がってついていき、隣を歩いていたアイドルとタレントの距離感はもはやなくなり、「一心同体型」に進化したといっても良いのではないか。

以上、アイドルのコンサートにおけるエンディングコメントを「アイドル先導型」「伴走型」「一心同体型」と3つのパターンに分け、アイドルとファンの関係性、距離感について分析してみたが、あくまで私個人の入ったコンサートを例にとった個人の感想である。また、好きなアイドルに対して感じる心地よい距離感は人によるので優劣をつけるものでもないことを念のため・・・。

 

また機会があればいろいろな、もちろんジャニーズ以外のコンサートのエンディングコメントも見聞きしたい。

 

今日もおたくのみなさんに幸あれ💜